武梨えり著『かんなぎ』(1)〜(3)
押しかけ女房という名の非日常。こういう、なんか起きているようで結局なんにも起きていないという、つまり非日常が日常と地続きであるにも関わらず、それでも平凡な日常が続いていくというストーリーはけっこう好きな手法。ドラえもんも同じだよね。ひみつ道具をのび太が誤用して騒動が起きるけど、最終的には揺り戻しの果てに平凡な日常として回収されてしまう。
でも。この物語はこのまま日常を繰り返し続けるとは思えないけどね。たぶんこの主人公は近々こちら側かあちら側か、日常か非日常か、その選択を求められるのではないだろうかと思う。ちょうど『涼宮ハルヒの消失』のキョンみたいに。
で、1巻は武内崇が、2巻は竜騎士07が、3巻は樋上いたるがイラストで参加しているわけですが。ゲスト陣の作風も2巻で方向性が定まったらしく、3巻は大笑いしました。そういう意味でも、ノベルゲームの文脈が分かる人向けだなぁこの作品、という感じです。
ほとんどマンガは読まないんだけど、それでも最近読んだ中では一番好き。