『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険(0)

ガンスリンガー・ガール』という作品について連載形式で批評的な視線を当てたいと思い…というかただの思いつきでちょっとした企画を始めようとしている。内容は従来どおりの批評なのだが、自らに以下の制限を課そうと考えている。

  1. ガンスリンガー・ガール』の単行本1巻を読むたびに、「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険」を1つ書き上げなくてはいけない
  2. 「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険」第n回の内容には『ガンスリンガー・ガール』第n+1巻の内容を含んではいけない
  3. 「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険」の第n回をブログで公開しなければ、『ガンスリンガー・ガール』第n+1巻を読んではいけない

順に補足していこう。

1について。これは、第1巻を読んだらその内容を受けて批評エントリの第1回を書き上げるという意味だ。つまり第2巻を読んだら第2回を、第3巻を読んだら第3回の「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険」を書かなくてはいけないことになる。

最近何かと多忙なので、既刊をすべて読み上げてからこの作品の批評を書いていたのでは、それまでに感情が風化してどうでもよくなってしまう可能性が高いと考えている。そこで、熱の冷めないうちにその瞬間のid:nuff-kieの感覚をパッケージしてしまいたいというのが、このルールの意図になる。

2について。これは例えば「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険」第2回は、『ガンスリンガー・ガール』第1巻と第2巻の内容のみでまとめなければならないということだ*1。第2回で第3巻の内容を先取りすることは許可されない。これは、そのとき得られている材料のみで批評をおこなっていこうという意図に基づいている。従って第3巻を読んだ結果、第2回で書いた内容が第3回で覆されるということも充分にあり得るだろうと考えている。だが、この企画ではそれを恐れずに書いていきたい。これによってルール1はさらに強化され、そこにはある種のライブ感覚が生まれるのではないかと思っている。

3について。「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険」第1回を書かなければ『ガンスリンガー・ガール』第2巻を読んではいけないという意味だ。これはとにかく、書き上げることを自分に課すだけのルールでしかない。幸いにしてこの作品は多くの示唆に富んでいるように思えるので、ネタには困らないのではないかと楽観視している。ただしこのルールは、id:nuf-kieが『ガンスリンガー・ガール』から何も感じ取ることができなくなった瞬間にこの企画が終了してしまうという意味も併せ持つ。もちろん、個人的な希望としては『ガンスリンガー・ガール』と最後まで付き合っていきたいと思っているが…。アンテナはするどく張りめぐらせていたい。

これらのルールで明らかなように、「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険」にはゴールを設定していない。どのようにオチを付けるのかはまったく考えられていない。この企画は、自分がこの作品をどのように捉えるのか、その変遷をライブに追ってみたいという欲望のみに支えられている。

最後に、企画の立ち上げに伴って7/23のエントリ「相田裕著『ガンスリンガー・ガール1』」は「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険(1)」へと改題させて頂いていることを明記しておく。よって、いきなりな感じもするが次回が第2回ということになる。

思いつきで走り始めてしまったのでエントリ公開の時系列が乱れてしまったが、この構造が妙にアニメ版『涼宮ハルヒの憂鬱』を想起させたので、最初は「『ガンスリンガー・ガール』をめぐる冒険でしょでしょ?」という表題にしようかと10秒くらいで熟考してみた。が、それはあまりにあんまりなので止めておくことにした。この判断が正解だったと思いたい。

つまらないネタで締めようとしたためにすべてがネタ臭くなってしまったとは感じる。けれど、これはどこまでも本気の試みだ。やりたいことは、本気のトライアル・アンド・エラー。そう宣言することで、この第0回を終わるとしよう。

*1:必ずしも第2回の内容が第2巻のみに照準を当てているというわけではない