美水かがみ著『らき☆すた(1)』

らき☆すた (1) (単行本コミックス)

らき☆すた (1) (単行本コミックス)

先日のエントリを読んで頂いた方の中には文面から気付いた方もいらっしゃるかと思いますが、あれを書いた時点では俺は萌え4コマに触れたことがありませんでした。中には俺の萌え4コマ考察を楽しんで頂いた方もいらっしゃるようで、それを考えるとずいぶんな話だという気もしますが、別にあのエントリは特定の作品論ではなく萌え4コマとそれを可能にしている二次創作空間について仮説を立ててみたという内容ですし、それはたとえ萌え4コマを読んだことがなくても充分に可能なことだと思っています。

というわけで初の萌え4コマ体験として『らき☆すた』1巻を読んでいます(まだ読みきれていません)。その印象を感じるままに書いてしまうと、オタク系文化へのリテラシーというかオタク系文化におけるコモンセンスのようなものを知らないと、やはり萌え4コマは楽しめない/楽しみにくいというのが大きな前提になっていると思います(カリカチュアという意味においても)。その身振りは、くだんの仮説に反することなく、原作でありながらきわめて二次創作的だと感じました。そういう意味では、萌え4コマのキャラは他のジャンルのキャラよりもキャラとしての強度が高いのではないかとも思います。これは、二次創作作家が使い回しやすいキャラであるという意味も兼ねます。使い回しやすいというのは、キャラが備えているそれぞれの萌え要素の純度が高いということだと思ってもらえればだいたい合ってるかと思います。砕けた言い方をすれば、微妙な味付けをされたキャラというのは、二次創作作家にとって操縦が困難なのではないかということです。(逆にその特徴をつかめばそちらのほうが案外簡単なのかもしれませんが)

もはや『らき☆すた』から離れた話題になりつつあるので、このエントリはここでいったん締めます。時間ができたときに俺の興味がまだそこにあったら、この件に関する思考をブラッシュアップして新たなエントリを立てたいと思います。