美水かがみ著『らき☆すた(2)』

らき☆すた (2) (単行本コミックス)

らき☆すた (2) (単行本コミックス)

昨日は寝惚けて『らき☆すた』というタイトルそのものについて言及するのを忘れてしまっていたので、改めてエントリを立てます。『らき☆すた』。らきすた。この特徴的なタイトルですが、これは『マリみて』が『マリア様がみてる』であるように、『らき☆すた』は『Lucky☆Star』なわけです。

ここで俺は一体何を言いたいのか?それはつまりこういうことです。

本来的には『Lucky☆Star』あるいは『らっきー☆すたー』というのが正しいタイトルのかたちであるはずです。そして、消費者(オタクたち)*1が『Lucky☆Star』というタイトルの愛称として『らき☆すた』という呼び名を与えるというのが、従来の消費のかたちだったと思います。ちょうど、『マリア様がみてる』が『マリみて』と呼ばれるように。

しかし、『らき☆すた』はそれを逆手に取っている。つまりここで言いたいことは、『らき☆すた』というタイトルはオタクたちに消費された後の呼び名をあらかじめ想定して付けられたものなのではないか?言い換えれば、オタクたちの視線を通過したあとに表れるべきタイトルを、原作者サイドが事前にそれを見越して名付けたのではないか?ということになります。

ここではオタクたちによる消費という中間項を省略して、原作者自身がダイレクトに二次創作的な想像力を用いて『らき☆すた』というタイトルをつけたというアクロバティックな手法が見られます。これを昨日のエントリに書いた、萌え4コマというスタイルの「原作でありながら極めて二次創作的である」身振りを指し示す一例として挙げておきます。

ちなみに、と書くのも変な話ですが『らき☆すた(2)』も未読です。いずれキチンと読んでからまとめるべきなのかもしれませんが、ひとまずは思いつきをたれ流しておきます。

*1:場合によっては消費者ではなく、その作品を売りたい人たちが名付けていることもあるかもしれません