学問じゃないバトン(ドラじゃないえもん風に)

id:SuzuTamakiさんによる学問バトンのエントリのコメント欄、id:sakstyleさんとid:SuzuTamakiさんのやりとりにてid:nuff-kieの名前が挙げられているようです。

sakstyle 『実は、nuff-kieさんに回して欲しかったなんて内緒です。』 (2007/07/30 18:02)
SuzuTamaki 『わ、わあ!
確かに興味深いかもです……。
もしご覧になっておりましたら(ぇ』 (2007/07/30 22:19)

失礼ながらまったく気付いていませんでした。認識したの昨日です。id:nuff-kieのブログ巡回術はLDR依存であり、はてなアンテナ経由でブラウザ使ってアクセス…というのは実際のところ滅多にやりません。というわけでLDRだと全文配信のブログのコメント欄とか視野に入ってこないんだなぁと今さらながら痛感した次第。LDRでブログのコメント欄を見られるGreasemonkeyスクリプトとかありませんかね。なんて、そんなことはどうでもいいのですが、とりあえずこのままノーリアクションでは男が廃るというものです。なのでやります。

このバトン、学問バトンという名称ではありますが回答しているみなさんのエントリ(のごく一部)を拝見するに、別に学問について語ることを主眼としているわけではなく、本質はブログとブログの中の人のあいだに横たわる回路を再強化してあげる作業のようです。つまり、そのブログの文脈をほんの少し本人に語ってもらうもの。名称からアカデミックな雰囲気がして身構えそうになりますが、実質他のバトンとあんまり変わりませんね。

ならば俺もそれに倣ってこのブログの在り方と俺について、学問云々を抜きにしてちょっと書いてみましょう。つまり正直に俺の専攻とか書いても意味がないってことですよ、このブログ的には。

-あなたの専門・専攻・得意教科は?
文脈導入型の物語解体と再構築。

-あなたは、どのようなテーマに関心がありますか?
これからの物語構築と物語消費。

-あなたはなぜその専門・分野を選んだのですか?
俺が選んだんじゃなくて向こうが俺を選んだ、ただそれだけさ。


なんて無意味にロックスター調。

-あなたが最も影響を受けた人と、その理由を挙げてください(複数人可能)。

以前も書いたように、俺が物語に対して批評的な視線を持つようになった契機はドストエフスキーにあるわけですが、その幅を広げて見せてくれたのが東浩紀氏、という感じです。

もともと俺は人文とかオタクとかサブカル文脈ではなくて単にサッカーとロックンロールが好きな人なのです。なので俺が東浩紀という名前を知ったのは相当に遅くてファウストvol.1からで、それは俺の舞城好きに起因します。彼の『ドリルホール・イン・マイ・ブレイン』を読みたくてファウストを買うようになって、ついでに『メタリアル・フィクションの誕生』を目の当たりにする。そこで初めて東先生の名前を知った…というかやっぱり舞城目当てだったので『メタリアル〜』も当初読んでいなかったんだけど。

まぁ、いずれにせよこのブログにとって影響度の高い方です。

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読んでなかったら、こうしてブログで勝手なことを書き散らすこともなかったでしょう。

すべての発端。でも、なんでそんなに舞城が好きなのかは未だに分かっていないので、今後このブログで追求していきたいポイント。

-あなたが影響を受けた本とその理由を、何冊か挙げてみてください。

Up the Bracket

Up the Bracket

ポップミュージックだけじゃない、ロックンロールにだって3分間の魔法が宿っているんだということをゼロ年代に証明した素晴らしい作品。もちろん本じゃないけどそれがどうした。この素晴らしい曲の前にはそんなちっぽけな疑問なんて無効化されてしまうのだ。それこそロックンロールが持っている魔法だよ。

Yes, New York City is very pretty in the night time,
but oh don’t you miss Soho?
Everybody goes...

つまりそれってテーマだとかリリックだとか演奏者の人格だとか振る舞いだとか思想だとか、音楽以外の周辺事情をすべて吹き飛ばして純粋に音楽だけを伝えて踊らせてしまうものに他ならない。それを物語に当てはめると、文体こそが文学にとっての魔法じゃないかと思うんだ。

幼年期の俺を形成したのはドラえもん。俺を夢想家にしたのは間違いなくドラえもん。ありがとうドラえもん。夢想家になりたい奴は今からでも遅くないから読んどけ。♪あんなこといいな、できたらいいな…。

-入門者に、その分野の「入門書」として一冊お勧めするとしたら何を薦めますか?

文学環境論集 東浩紀コレクションL

文学環境論集 東浩紀コレクションL

東浩紀氏の『文学環境論集』。前述の『メタリアル・フィクションの誕生』が収録されているのでお勧めします。

-あなたが考える、その専門・分野の「武器」は何ですか?
文体。文体に自覚的であるかどうかは重要。

-他人に「君、大学では何を研究していたの?」等と聞かれた場合、なんと答えるようにしていますか?
正直に答えます。

-あなたがその専門・分野に関して、一般の方に知ってもらいたいところは何ですか?
特になし。

-あなたがその専門・分野に今後期待することはなんですか? あるいはあなたがその分野で達成したい目標はなんですか?
素敵な嘘を吐いて、みんなを楽しい気分にさせられたらいいな。

-次に回す人たち
誰にもあげません。勝手に持って行ったりしないようにね。