青山景著『ピコーン!』読了

ピコーン! (IKKI COMICS)

ピコーン! (IKKI COMICS)

舞城王太郎の小説のマンガ化。批評的視点を持ち出して作品をこね回すのがいつもの俺の流儀だけれど、今回ばかりは余計なことはぜんぶ忘れてただの感想文を書く。
『ピコーン!』も『スクールアタックシンドローム』もむちゃくちゃおもしろかった。やっぱり俺は舞城が大好きなんだと再認識した。「舞城ってこんなにくそおもしろかったっけ?」と感動さえした。冷静に考えれば舞城のおもしろさを伝えたのは作画の青山景の手腕なんだし、マンガ版に言及するなら原典を参照しながら青山景を評価するのが筋なわけです*1。けれど、ここはひとつ、俺が青山景という中間項をすっ飛ばして舞城の魅力とダイレクトに結線しているという錯覚に陥っているってことにしておいてくださいよ。
実際、俺の舞城に対する熱はかなり冷めていた。でも『ピコーン!』を読んだことであらためて盛り返してきた感じがする。意図的に停止していた舞城論のカテゴリを今後使うかはわからないけれど、舞城への言及は復活させたい。少し長く休んでしまったけれど、俺はまだ舞城について語る言葉を失ってはいないのだ。

*1:実際、青山景には舞城の魅力を伝えてもらえたわけだし