僕が考えたドラえもんの二次創作

というわけで、「僕が考えたコミケ」の続きです。俺だったらこのコミケに何を持ち込むのか、それを追いかけてみました。

  • アウトライン

ドラえもんの原作でがまん大会をしていた回がある。ここで登場するひみつ道具エスキモー・エキスだ(てんとう虫コミックス34巻)。俺が描く物語はこのパロディ。がまん大会ではなく、がまん汁大会を開催します。たぶんこの時点で半分くらいの読者が脱落したのではないかと思いますが、ドント・ストップ・ザ・ミュージック、物語は続きます。

がまん汁大会とはその名の通り、がまん汁を漏らした奴はすべて敗者、最後まで残っていた奴が勝者という過酷なツール・ド・がまん汁。大会レギュレーションは、しずかちゃんに扇情的なポーズを取らせて、目をそらすことなくみんなで彼女の裸体に見入る。ただそれだけ。

  • ストーリー

大会の結果、のび太が一番に脱落してジャイアンが勝ち残る。勝者ジャイアンが優勝商品であるしずかちゃんに挿入する権利を得る。一方、のび太はしずかちゃんにありつけないので代わりにドラえもんに泣きつく。心優しきドラえもんはフエルミラーでしずかちゃんを量産する。のび太の目の前に立ったしずかちゃんは言う。わたしはたぶん3人目だから、と。

のび太としずかちゃんはここではない2人だけの世界にたどり着く。

  • 解説

マンガとして制作します。俺は原作のみ、マンガ化は誰かに依頼。つまりエロ+マンガ+二次創作という三種の神器(たぶん)で攻める作品。あとがまん汁大会とは決断主義的なバトルロワイヤルであり、その後の"きみとぼく"な展開はセカイ系を象徴します。これで東浩紀氏と宇野常寛氏を2人とも満足させられるのではないかと思います。基本的には万人受けするように分かりやすい内容でなければなりません。死角がない上に豪華、というのが狙いたいコンセプト。まぁ、ここまでは表層的な部分です。

肝心の中身だけど、この作品では、スーパーフラットに消費される二次元美少女とオタクの関係性を批評的に描くことが目的です。そこで、しずかちゃんはフエルミラーによって量産され、しかも決してしずかちゃんとして描かれないことになります。彼女はドラえもんの絵柄から大きく乖離して、萌えを象徴するような二次元美少女として描かれる。必要ならネコ耳とかつけてもいい。衣装はメイド服とかだって構わない。とにかく萌えの象徴であることが重要なわけです。彼女はしずかちゃんと呼ばれつつもしずかちゃんではない存在であり、かつしずかちゃんとして消費されるというメタしずかちゃんになる。そのために、のび太ジャイアンに襲われているしずかちゃんを助けるのではなく、彼女をコピーアンドペーストしたしずかちゃんの代替品を手に入れることで満足してしまうのです(大きな物語の喪失)。

加えてドラえもんドラえもんとして描かれません。ドラえもんのグラフィックはASIMOでいきます。これは単純に、ドラえもんの二次創作というのが危険領域のような気がするから保険をかけて別のロボットにしておこうということです。俺だって訴えられるのは嫌だ*1

ASIMOはネコ型ロボットじゃないって?いいんだよ、必要ならネコ耳でもつけておけば!

*1:Hondaから訴えられる可能性はこの際、度外視します